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アフガニスタンの宝物が米国ツアーに

2007年12月21日(The New York Times)

カブールにあるアフガニスタン国立博物館の所蔵する約200点の作品の巡回展覧会が、5月にワシントンのナショナルギャラリーを皮切りに始まり、米国内を17カ月にわたり巡回する。

この展覧会はナショナルギャラリーがナショナルジオグラフィックソサエティと共催し、アフガニスタンの4000年の文化遺産をカバーする品々が含まれている。そのなかには、紀元1世紀にさかのぼる、バクトリアの宝物に属する選りすぐりの黄金細工もある。ナショナルギャラリーでの展覧会は5月25日から9月7日まで行われる。

バクトリアの宝物には、ブレスレット、剣、小像、王冠、ベルトその他の品々が含まれる。これらは1978年に北部アフガニスタンのTillya Tepeの遺跡で考古学者が発掘した。この遺跡では古代バクトリア王朝の墓が6基発見された。

翌年ソビエト軍がアフガニスタンに侵攻した後、これらの宝物は姿を消した。そして、その後の長期の内戦中に盗まれるか破壊されたと考えられていた。ところが、2003年8月になって、カブールの大統領宮殿の金庫の中で発見されたと発表された。

「アフガニスタンがシルクロードの中央に位置していたために、そこにはいろいろな文化と文明のモザイクが作り出されました。」と駐米アフガニスタン大使であるTayeb Jawadは語った。

バクトリアの宝物が展覧会の目玉となるので、展覧会は「この遺産を保存することに関わった個人たちの物語を語ることになるでしょう。」と彼は語った。その中には、発掘された品を検証し目録を作成したアフガニスタン人の考古学者たちがいる。

この米国巡回展はFredrik T. Hiebertが企画した。彼はアフガニスタン国立博物館のCarla Grissmannとともにこの展覧会を組織した。

バクトリアの宝物に加え、展覧会には他の3か所の考古学遺跡からの品が含まれる。アフガニスタン北部のTepe Fullolから発掘された紀元前2500年から2200年の間の黄金のつぼの破片、ギリシア人植民地のブロンズ、象牙、石で作られた彫像の数々がAi Khanumで発掘された。そしてカブールの北25マイルに位置する、昔はKushan帝国(紀元1世紀から3世紀)の夏の中心地で、いまは米空軍基地となっているバグラムから出土した象牙の浮彫やその他の品である。

ナショナルジオグラフィックはアフガニスタン政府との間に、これらの品を米国に持ってくる契約を100万ドルで6月に交わした。アフガニスタンの貧しさと、数十年間の暴力と混乱によって文化遺産になされた損害を考慮すると、アフガニスタンは損をしたのではないかという文化専門家もいる。しかし、Jawad氏は「最初から、お金は重要な要素ではありませんでした。」と語った。

展覧会の主催者側は、保険、運搬費用、その他の費用を負担することになっている。

ナショナルジオグラフィックソサエティのミッションプログラム担当EVPであるTerry D. Garciaはこう語った。「この金額はアフガニスタン政府が交渉したもので100万ドルは小さな額ではありません。そしてこれは商業的な展覧会ではないのです。」

この展覧会はパリのギメ美術館、イタリアのトリノにあるMuseo di Antichitaを巡回し、現在はアムステルダムのNieuwe Kerkにて4月20日まで公開中である。サンフランシスコのアジア美術館、ヒューストンのファインアート美術館、そしてニューヨークのメトロポリタン美術館に巡回する計画を策定中である。