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アフガニスタンの警備会社:問題の一部か

2007年12月6日(IWPR)

元司令官たち、特殊部隊出身者、動員解除となった民兵など、時としてカブールの道路は屈強な男たちがそのもっとも市場価値のある技術、すなわち戦闘能力と戦う準備があることを売り込むためにひしめきあっているように見える。

多くは民間警備会社という新産業に引き寄せられていった。これらの警備会社は銀行、大使館、国際機関、さらに首都にある流行のレストランにまで警備をする。

しかし、アフガニスタン政府はこれらの重武装した、そしてしばしば許可を得ていない会社を、その多くが武装強盗、誘拐、殺人などの重犯罪に関係しているとして、厳しく取り締まり始めた。

警備会社を閉鎖すると、すでに悪化している状況がさらに悪化すると心配している観察者もいる。アフガニスタン警察はギャップを埋めることはできないし、何千人もの武装した職のない男たちを町に放つと今よりももっと不安定な環境を生み出すことになると彼らは主張する。

警備会社の職員が犯罪に関与

「過去数ヶ月間我々は調査を行い、多くの武装強盗や殺人がこれらの会社の職員によって行われたとの結論に達した。」と内務省のスポークスマンであるZmarai Bashiriは語った。「武器の違法な使用と販売も、これらの会社では普通に行われている。」

人々の注目を集めたいくつかの事件がこの問題に光を当てた。例えば、8月に英国の警備専門家が現金20万ドルを輸送中に射殺された。この殺人に関し、警察は被害者のスタッフを取り調べた。

「この警備会社に関係するものを多数逮捕した。彼らは殺人、誘拐、武装強盗に関わっていた。」とBashiri氏は語った。「法に従って彼らを処分する。」

内務省はすでに民間警備会社10社を閉鎖した。そしてこの数日でさらに数社を摘発した。

ある国際的な警備会社は大量に違法な武器を所蔵しているのを発見された。カラシニコフライフル60挺、重機関銃9挺、大量の弾薬などが含まれていた。

国内にある警備会社の数についてはいろいろな推定がある。Bashiri氏によれば、現在60社の民間警備会社が営業しており、全部で1万8千人から2万5千人の男性を雇っている。その大半はカブールにある。

Bashiri氏は内務省が調査している警備会社には3つのカテゴリーがあると説明した。

「1番目は、犯罪に関与しているとされる会社である。」と彼は語った。「次に、内務省に登録していない会社があり、そして最後に許可期限が切れている会社があるが、これらはすべて違法である。」

内務省は警備会社を規制するための新法案作成を開始したと彼は語った。そしてこう付け加えた。「内務省と司法省はこの法案作成を共同で行っている。武器。制服、義務と責任、地理的な制限、などを含む要求される条件がそこに定められる。」

Bashiri氏は警備会社が混乱を拡大し、事態を悪化させているだけであると主張した。

「彼らは我々にとって頭痛の種で、全部閉鎖する。」と彼は語った。

民兵が営業部隊に変身

銃を持った男たちはアフガニスタンでは新しい現象ではない。数十年の戦争と内戦を経てきたのである。90年代の内戦時の元民兵司令官たちは効果がないことで知られている武装解除を受けた、一度もしくは数回にわたり多額の報酬を得た、しかし、今でもまだ所蔵された武器と忠実な部下たちを使って、儲かる警備会社を設立し、以前の力を温存している。

バグラン州の州都プレホムリの住人Mohammad NasirはIWPRに対し、地域の元実力者が今は警備会社の社長に「仮装」していると語った。

「この司令官は部下を全員集め彼らに新しい制服を与えた。」「彼らはNGOを警備しているが、司令官は今でも彼らを使って自分の力を誇示している。人々は彼を今でも司令官として見ており、彼は今でも武装しており、彼は自分のやりたいように何でもできる。」 とNasirは語った。

このことがバグラン州の緊迫した状況の原因となっていると彼は続けた。

「人々は道路でこの会社の武器や特殊車両を見ると、恐怖を覚える。この司令官たちが道路を支配していたころの良い思い出を人々は持っていない。」

しかし、民間警備会社と彼らが提供する業務をなくすのは、そう簡単ではないかもしれない。

アフガニスタンがますます不安定になっていることで、多くの団体が武装した警備なしで活動することに不安を覚えている。アフガニスタン警察は多数の地元団体、外国団体を警備するに足る数の警官を派遣できないし、そもそも多くの人は警察を信頼していない。

「警察はアフガニスタン国内の何千ものNGOの安全はおろか、政府、都市、幹線道路、の安全さえ保証できない。」とファリヤーブ州で道路の建設を行っている中国の会社の担当者は語った。「もし政府が我々の警備会社を閉鎖したら、我々を守れる者がいる保証はない。」

規制の欠如

米国のBlackwater社のようにイラクで民間人17人を殺害したということで疑いを持たれているが、これまで、アフガニスタンの警備会社がそのような疑いをもたれたことはない。

しかし、イラク同様、権利と責任についての混乱が恐怖と不安をもたらしている。

「アフガニスタン人は警備会社がどのような人物で、国内で何を行っているのか知らない。」とスイスの研究機関が11月半ばに発行した民間警備会社に関する調査報告の共同執筆者であるSusanne Schmeidlは語った。「多くのアフガニスタン人は民間警備会社と国際軍部隊、あるいは自国のアフガニスタン国家警察、アフガニスタン国軍との区別がつかないで、全般的に混乱している。」

国民に警備会社が犯罪に加担しているだけではないことを理解してもらうために、警備会社はもっとしっかりと規制されるべきであると彼女は強調した。そして、仕事がなければ国民に危害を与えるかもしれない男たちに仕事を与えている民間の警備会社は、免れることができない処罰を受ける日をただ延期しているだけにすぎない。

「民間警備会社の雇用によって、元実力者やその民兵が道路からいなくなっているという肯定的な議論ができるかもしれないが、契約が終了したときにこれらの民兵に何が起きるかというジレンマについて取り組む必要がある。」とSchmeidlは語った。

警備会社側は必須な役割を果たしていると主張

民間警備会社は自分たちの存在を弁護し、貴重なサービスを提供していると主張している。

国際的な会社で警備だけでなく地雷除去の業務を行っているRONCO社の担当者Amir Mohammadは、同社が有効な許可書を持ち閉鎖されていないと語った。それでも、彼は他の警備会社を閉鎖しようという内務省の計画に反対している。

「これは内務省の誤りである。」と彼はIWPRに対して語った。「何千人もの人々がこれらの会社に雇われており、彼らは路頭に迷うかもしれない。これらの会社は多額の税金を毎年納めている。これは政府にとって財政的な打撃となる。外国の会社はアフガニスタンの治安当局に頼ることができない。だからもし民間警備会社が閉鎖されると、アフガニスタンに投資する外国人はいなくなる。」

RONCOと他社が行っている地雷除去プロジェクトは、彼らの安全が保証されなければ危険にさらされるであろうとAmir Mohammadは語った。

「もし政府がこの計画を続行するならば、アフガニスタンにおける地雷除去作業は滞ってしまうだろう。」と彼は語った。「場所によっては護衛なしに働く外国人はいない。我々はヘルマンド、カンダハール、そしてジャララバードで作業しているが、そこでは警察が安全を保証できない。」

しかし、内務省は違法で営業している警備会社を閉鎖する決意である。

「腐敗した組織を持つより持たないほうがずっといい。」とBashiri氏は語った。「これらの組織が役に立たないことがわかった。他の許可制度を採用しなければならない。彼らの現在の業務はきちんとした業務手続きが存在しないので違法である。」

警察はギャップを埋めることができるか。

Bashiri氏は違法な会社が閉鎖されれば、内務省が安全を保証できると主張する。

「これらの会社が閉鎖されたら、我々の力で安全を保証する。慈善団体や企業は安全が確保され、不平はでないだろう。」と彼は語った。

しかし、アフガニスタン北部の政治問題アナリストである、Mohammad Fareed Hakimiは全国の悪化しつつある状況を指摘し、内務省にこの状況を管理できるかどうか疑問を呈した。

「政府はこれらの会社を閉鎖したが、どのようにしてこの空白を埋めることができるのか。」と彼は語った。「彼らは必要とされる数の警察官を増員することができないし、もし内務省が銀行やNGOを警備しなければならないとしたら、さらに警備の欠如は拡大するだろう。」

これに加え、元司令官たちとその配下の武装民兵の力を中立化させるという古い問題がある。

「政府は、この事態をもっと悪化しないような方法で解決しなければならない。」とHakimiは語った。「多くの警備会社は元司令官やその配下の民兵たちによって所有されている。もしこれらの会社が閉鎖されれば、この連中は再びリーダーの下に集結し、彼らをコントロールすることは不可能であろう。」